雨風や日差しから家を守る「瓦」。
長い歴史を持つ日本の伝統的な屋根材であり、近年は環境にやさしい建材としても注目を集めています。
そんな「瓦」を柱に、太陽光発電、建築、eスポーツといった多角的な事業を展開する老舗企業が、長野県上田市にありました。
創業から111年、長野県を中心に瓦の製造・工事を手がける「株式会社野村屋」。
古くから受け継がれてきた伝統技術を守りながら、常に新しい可能性を追求し続けている会社です。
2011年に現社長である野村健太さんが就任してからは、太陽光発電を設置する自然エネルギー事業や、戸建て住宅の施工・販売を行う建築事業、長野県でのeスポーツの発展と地域創生に貢献するeスポーツ事業を開設。
事業の裾野を広げながら、野村屋のさらなる成長を目指してリブランディングを進めています。
今回募集するのは、瓦職人、営業、測量・設計、児童指導員・保育士の4職種。瓦職人と営業は学歴も職歴も一切不問とのことで、未経験から挑戦できます。
よく晴れた日の午後、取材で訪れたのは上田市古里にある野村屋の本社。
2021年に各営業所を統合したタイミングで、小泉からこの場所に移転したという。
中に入ると、まず目に留まったのは瓦を模した四角いライト。ふんわりとした温かい光が、空間をやさしく照らして心地良い。
2階のミーティングルームへ向かう階段の壁には『私たちは、いつでもカワル。』というグループステートメント。
そして、ミーティングルームの壁には『瓦を積んで、はや百年。次は何を積みましょうか。』という野村屋ステートメントが掲げられている。
そのチャレンジングな言葉をしみじみ眺めていると、「本日はよろしくお願いします!」という元気な声が。 笑顔で現れたのは専務取締役の野村康太さん。社長とは双子の兄弟だそう。
まずは新事業を始めるに至った経緯について聞いてみる。
「創業以来、瓦事業一筋でやってきましたが、お客様から“瓦屋根に太陽光発電をつけたい”という要望をいただいたことがきっかけで、2009年から住宅用太陽光発電の施工を始めました」
「最初は“瓦屋根に太陽光発電⁉”と驚きましたけどね(笑)。でも、当社のポリシーはいただいた仕事を断らないこと。それに、再生可能エネルギー分野に挑戦することは、会社の成長につながる良いきっかけかもしれないと思いました」
瓦屋根の需要は、建売住宅の増加や屋根面積の縮小により、年々減少しているという。
会社の将来を見据えて、新たな事業を模索していたところ、太陽光発電の設置依頼が入り、それが野村屋にとって大きな転機となった。
また、瓦屋根は経年劣化に強く、メンテナンス頻度が低いため、太陽光発電との相性も良いのだとか。
「その後、今度は“畑に太陽光発電を設置したい”という要望をいただいて、2013年に産業用太陽光発電の販売を開始しました。そして2014年には自社保有発電所を設立、2015年には土地付き分譲太陽光発電所の販売を開始するなど、再生可能エネルギー分野へ本格的に参入していったんです」
「お客様の中には“太陽光発電を設置できる土地はないか”というご相談をいただくこともあって。じゃぁ土地の仕入れから、工事、販売、保守管理まで一貫して受けられるようにしようということになり、不動産事業も始めました」
これまで野村屋が設置した太陽光発電は、家庭用が3000箇所以上、産業用が450箇所以上に達している。
2019年にはメガソーラー発電所の稼働を開始し、累計発電電力量は約60,000,000kWh(※1)。
これは一般家庭約14,782世帯分(※2)の年間消費電力に相当するとのこと。
さらに、2020年には野村屋一級建築士事務所を開設。建築とエネルギーの2つの事業が相互に連携し、将来的にはカーボンニュートラルな街づくりを目指していきたいという。
※1 2013年から2021年までの期間
※2 1世帯分の1日の消費電力を11.1kWhとして算出
2022年にはeスポーツ事業部を開設し、eスポーツチーム『NOMURAYA STRIDERZ(ストライダーズ)NAGANO』も立ち上げた。
「ゴルフ練習場の設立をきっかけに、子どもたちの習い事の選択肢を広げたいという想いが芽生えて。野球、サッカー、バレエ、ゴルフなどに加えて、スポーツ庁の地域活性化活動支援事業に位置づけられているeスポーツが良いんじゃないかなと考えたんです」
新たなビジネスが目的ではなく、地域活性化や子どもたちの新たな可能性を広げるため、さらには高齢者の認知症予防といった社会的な意義を重視していると野村さんは言う。
また年に1度、地域住民を招いたイベントも開催。eスポーツ体験や各種セミナー、飲食店による出店などを実施し、地域交流の創出にもつながっているそう。
なお、eスポーツチームのメンバーは野村屋に所属するプロゲーマーで、2024年にドイツで開かれた『Apex Legends』という世界大会にも出場したんだとか。
「瓦から始まった事業は、今やエネルギー、不動産、建築といった多岐にわたる分野へ成長を遂げ、近年はeスポーツというデジタルエンターテイメントの世界へも進出しました。今後も、伝統や技術、街の未来を良くしたいという想いを守りながら、常に新しい可能性を追求していきたいと思います」
次にお話を伺ったのは取締役の鈴木さん。以前は電柱や電線などの外線工事に携わっていたそうで、2017年に野村屋へ入社したという。
「環境を変えたいと思っていたときに、野村屋で働いていた友達から当社を紹介してもらって。それがきっかけで転職しました。最初は前職での経験を活かして、太陽光発電の設置に関わる現場の仕事を担当。でも、しばらくしてから“営業をやってみないか”と言われて、ジョブチェンジしたんです」
営業は全くの未経験で、パソコンスキルもなかったという鈴木さん。ジョブチェンジに不安はなかったのだろうか。
「私が入社したときは、まだ職人気質的な雰囲気があって、上から言われたらやらなきゃという感じでした。あ、今は全然“NO”と言える職場ですよ(笑)。時代とともに社風も変わってきたので」
「あと一応、営業ってどんな仕事なんですか?って聞いてみたんですけど、“お客様のところに契約書を持っていってサインとハンコをもらう簡単な仕事だよ”って言われて。まぁ、確かにその通りでしたね(笑)」
それから鈴木さんは、上司や先輩の営業に同行して、商談の流れを学びながら、自分なりの提案方法を考えていったそう。
「まずは1つの商品を売ることから始めて、次に自分で売る商品を選んで、その次は高額な商品に挑戦して。そんなふうに少しずつステップアップしていきました。また、お客様とのつながりができると、そこから新たなお客様を紹介していただくこともあり、だんだんと仕事が面白くなっていきましたね」
“やるしかない”という気持ちだったのが、次第に“やってやろう”に変わり、コツコツ取り組んできた結果、取締役という役職に就いた鈴木さん。今でも営業活動は続けているそうです。
最後に、これから入社される方へのメッセージをいただきました。
「仕事への取り組み方や姿勢ももちろん大切ですが、営業はやっぱり数字が重要。どれだけ利益を上げて、会社に貢献できたかが評価の基準となり、当社ではその結果が給与・ボーナス・役職といった形でしっかり反映されます」
「やる気や目標があって、フットワークの軽い方なら大丈夫。パソコン操作も分からず、敬語も上手く使えず、人前で話すのも苦手だった私も、今では何でも教えられるようになったので(笑)。ぜひ一緒に楽しく仕事をしましょう!」
ここで、1階にある執務室を覗かせてもらうことに。
部屋の中に入ると、スピーカーから心地良い音楽が流れ、みなさんが黙々と仕事に取り組んでいました。
また、一人ひとりのデスクスペースは広めですが、社員同士のコミュニケーションは取りやすそうな空間。
「社内は居心地が良くて、集中できる環境。でも、話しかけづらいとかは全くなく、相談や質問も気兼ねなくできるので、分からないことを一人で抱え込むことはありません。安心して取り組めますよ」
社歴・年齢・役職に関係なく、誰とでも話しやすいのが野村屋のいいところだと鈴木さんは言う。
また、産休育休制度はもちろん、復帰後のサポート体制も整っていて、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける点も魅力だそう。
「当社の産休育休取得率は100%で、男性社員で育休を1カ月ほど取得した方もいます。会社として育児ファーストを掲げているので、短時間勤務制度があるほか、子どもの急な発熱や学校行事などにも理解があるんです。仕事とプライベートを両立させながら、安心して長く働き続けられる職場だと思います」
続いてお話しを伺ったのは、2024年に入社した秋好さん。以前は九州で人材派遣の営業に携わっていて、野村屋への入社をきっかけに長野にIターンしたとのこと。
「実は九州で事業をやっている兄が、野村屋の社長と知り合いで。仕事を変えようと思っていたときに、兄から野村屋を紹介してもらいました。長野県にある会社だと聞いて、地図で場所を確認したんですよね(笑)」
事前にお兄さんから会社の情報を聞いていたため、異業界へ転職することに不安はなかったそう。
「入社してからは、社長のもとで蓄電池の設置や土地の仕入れに関わる営業を学んでいます。まだまだ怒られることも多いんですが、できるようになるまで付きっきりで教えてくれるので、早く期待に応えられるようになりたいです」
秋好さんは、飛び込み営業やテレアポにも臆することなく挑戦していく、珍しいタイプだと野村さんは言う。
それができるのは、きっと親身に指導してくれる社長の愛情を感じているからなのかもしれない。
ちなみに、野村屋にはヨガ・サウナ・料理・華道・茶道といったクラブ活動があり、秋好さんはサウナ部の宴会部長を務めているんだとか。
「クラブ活動は、社員同士の交流を深めたり、リフレッシュや気分転換を図ったりすることが目的です。事業部に関係なく、自分がやりたいと思ったクラブに自由に参加できます。サウナ部は毎月活動していて、活動後は必ずみんなで食事をするほど仲がいいんですよ」
社内は20代から40代が多く、和気あいあいとしたアットホームな雰囲気。年齢が近い人とも一緒に働けるため、新しく入った方も馴染みやすいとのことです。
「あとは年間休日が125日、土日休みの完全週休2日制なので、仕事とプライベートのメリハリがあります。お客様対応で残業が発生することもありますが、平均すると月20時間ほど。そんなしっかり休める環境だから、仕事を頑張ろう!って気持ちになりますね」
今年、初めて長野県の冬を迎えるという秋好さん。寒さに不安はあるものの、スノーボードやスキーなどのウィンタースポーツにも挑戦してみたいと、笑顔で話してくれました。
ここで、今回募集する職種の仕事内容について、再び専務の野村さんにお話を伺う。
「測量・設計は、GNSSとトータルステーションを用いて測量を行い、そのデータをもとにCADソフトで図面を作成。太陽光発電と付属の蓄電システムの設置工事に関わる業務になります。児童指導員・保育士は、放課後等デイサービスを利用する児童に対して、直接支援や送迎対応などを行っていただきます」
この2職種に関しては、資格または経験が必須とのこと。また、児童指導員・保育士は、パートアルバイトでも可能だそうです。
「瓦職人は、瓦屋根の施工や葺き替え、修理対応など。営業は、太陽光発電や蓄電池の提案、土地の仕入れなどを担当。どちらも野村屋を支える中核事業なので、やりがいのある仕事だと思います」
「こちらの職種は、普通自動車免許をお持ちであれば、学歴・経験・資格は一切不問。家を建てたいとか、スキルを磨きたいとか、もっと稼ぎたいとか、将来の夢や目標がある方だといいですね」
そして、瓦事業には何やら壮大なビジョンがあるとのことで、野村さんに具体的な内容を教えていただきました。
「それぞれの事業が確立しているからこそできることなんですが、瓦事業で海外進出をしたいなと。その第一歩として、ハワイへの展開を予定しています」
瓦屋としてさらなる発展を目指すためにはどうしたらいいか。そう考えたときに、事業をもっと外に出していこうという答えに辿り着いたという。
「なので今後は、世界中で活躍する瓦職人を育成していきたいんです。もちろん今回募集する方も、当社でしっかり経験を積んだ後、希望があれば海外での挑戦が可能。瓦の価値と魅力を世界に広めていく、このビジョンを共に実現してくれる方をお待ちしています」
野村屋のロゴマークは、職人が角度を測る際に使用する工具の『さしがね』と、創業者である野村和市氏の『ワ』がモチーフ。
さしがねを2つ組み合わせているのは、双子の社長と専務を転換点として、会社が変化していく意志を象徴しているそうです。
「新しく入る方には、これまで学んできたことや経験してきたことをスタンダードだと思ってほしくなくて。前職での知識や経験は、自分のスキルとして積み重ねていただいて、ここでどう結果を出すかというのを大切にしてもらいたいんです」
「極端に言えば、その人の過去よりも“今”を見ます。まっさらな気持ちで来ていただければ、きっと楽しく仕事ができるはずです」
創業から続く伝統や想いはカワラず、長野の輝く未来のために柔軟にカワル。
そんな野村屋のように、ここで働くことは、自分自身がカワルきっかけになるかもしれません。
株式会社野村屋
募集職種
(1)瓦職人
(2)営業
(3)測量・設計
(4)児童指導員・保育士
雇用形態
正社員
(4)はパートアルバイトも可
給与
(1)(2)(4)月給20万~40万円
(3)月給25万~50万円
※いずれも経験・資格・スキル等を考慮の上、決定します。
昇給
年1回
賞与
年2回
待遇・福利厚生
社会保険完備
時間外手当
資格手当
資格取得支援制度
短時間勤務制度
クラブ活動
勤務地
本社/長野県上田市古里777-3
※マイカー通勤OK(駐車場完備)
勤務時間
8:45~18:00(休憩75分)
※残業月平均20時間
休日休暇
年間休日125日
完全週休2日制(土・日)
祝日
GW
夏季休暇
年末年始休暇
慶弔休暇
有給休暇(10日~)
産休育休
仕事内容
(1)瓦職人
瓦屋根の施工や葺き替え、修理対応など
(2)営業
太陽光発電や蓄電池の提案、土地の仕入れなど
(3)測量・設計
太陽光発電と付属の蓄電の設置工事に関する測量・設計業務
(4)児童指導員・保育士
放課後等デイサービスにおける利用児童に対する直接支援・送迎対応など
いずれも先輩社員によるOJTでイチから丁寧にレクチャーします。
応募条件
普通自動車免許(AT限定可)
(3)は測量士・士補、土木施工管理技士、土地家屋調査士、測量・設計業務のいずれか必須
(4)は保育士、幼稚園教諭免許、小学校教諭免許のいずれか必須
求める人物像
明るく前向きな方
フットワークの軽い方
将来の夢や目標がある方
柔軟な対応ができる方
過去よりも今を見てほしい方
募集期間
2024年12月12日~
※募集人数に達した時点で終了とさせていただきます
採用予定人数
若干名
採用プロセス
ご応募・お問い合わせ
↓
書類選考
↓
面接(1回)
↓
内定
※試用期間3ヶ月
HPの採用情報もぜひご覧ください!
https://www.instagram.com/nomuraya_group
当社のInstagramもぜひご覧ください!
<お電話でご応募・お問い合わせの場合>
0268-75-7763
採用担当:野村
※お電話口で「ながの仕事物語を見て」とお伝えください。
<履歴書・職務経歴書を直接郵送いただく場合>
〒386-0005
長野県上田市古里777-3
株式会社野村屋
採用担当:野村宛
※特記事項に「ながの仕事物語を見て」とご記載ください。