140年余の歴史をもつ木材専門商社が取り組む「地材地建」+「地承」|株式会社第三木材

近年、地域で生産された木材を使用して住宅や建物をつくる「地材地建」が活発化している。

そもそも日本は、国土の67%が森林という世界有数の森林国。

しかし、1964年の木材輸入自由化で安価な輸入材が増加し、国産材の使用は半分以下に減少。

山から木が伐られなくなったことで、林業の採算悪化や人手不足までをも招く結果になった。

そうした状況が続く中、2021年に世界的な木材不足によって木材の価格が高騰する「ウッドショック」が起こり、輸入材から国産材への転換を進めるため、国や自治体が対策・支援に取り組んでいる。

2022年の日本の木材自給率は40.7%(※)。2002年の木材自給率18.8%からすると上昇傾向ではあるが、まだまだ輸入材に頼っていることが多い。

※「令和4年木材需給表」の公表について

青々とした山、緑鮮やかな田畑、悠々と流れる千曲川。

長野県の東部に位置し、面積の半分以上を山林が占める「東御市」。

そんな自然豊かな場所で、地域の木を正しく使い、次世代へ受け継いでいくことに取り組んでいる人たちがいました。

「最近は、暮らしの中で木と触れ合う時間が減っていると思います。もっといろんなところに木を使って、木の温もりを身近に感じてほしいんですよね」

そう話すのは、株式会社第三木材の代表取締役・島田直政さん。

第三木材は、建築資材の流通販売をはじめ、木工事の請負、県産材製品の加工・販売、防腐・防火処理材製品の加工・販売などを手掛ける木材の専門商社。

始まりは1880年(明治13年)頃。長野県上田市材木町で「島田屋木材」として木材の加工・販売を行い、140年余の歴史の中で地域の森・木・人々とのつながりを深めてきた。

「地域の企業や職人、自治体などと協力して地域を盛り上げ元気にすること。地域の技術を継承していくこと。地域の木材を有効活用して自然と共生していくこと。それが私たちのテーマです」

「また、木材の加工・販売だけでなく、地域密着企業だからこそできるサービスも提供したいと考え、15年前から始めたのが木工事の請負。木材の手配と合わせて、大工さんの紹介も行っています。地域材の扱いに詳しい地元の大工さんがいれば施工がスムーズに進みますし、現場監督さんの負担も減らすことができるんですよ」

この木工事の請負は、資材流通販売に付加価値をつけることに加え、木材の価格競争や将来の職人不足に向けた対策にもなったそう。

「木に携わる仕事をもっと普及して、多くの人に林業や木材産業のこと、職人さんの格好良さを知ってもらいたい。そして、仕事で得られる技術を次世代に受け継いでいきたいと考えています」

2018年2月20日には、事業を継承し、「株式会社第三木材」としてリスタート。

木工事のシェアは以前より伸びていて、幼稚園・小中学校・美術館・官公庁などの中大規模建築から、戸建住宅・別荘・店舗などの小規模建築リフォームまで、幅広い案件を手掛けている。

今回募集するのは、木工事の施工を管理する工務と、建築資材の提案・販売を行う営業。

いずれも自動車運転免許をお持ちで、人とのコミュニケーションを大切にできる方、思いやりをもって仕事に取り組める方なら、未経験でもOKとのことです。

ここで、建築工事部の課長・田中さんと係長の佐藤さんに、工務の仕事についてお話しを伺いました。

高校を卒業してからずっと建設業に携わっていたという田中さん。

前職ではゼネコンに勤務していて、転職を考えていたときに代表の島田さんから声を掛けられ、アルバイトからスタートしたそう。

「建設や建築というと上下関係が厳しいイメージがあるかもしれませんが、当社はフラットな社風で意見を言いやすい環境。中途入社でも馴染みやすい雰囲気があり、気付いたら正社員になっていました(笑)」

「工務の主な仕事は、木工事において大工さんが担当する部分の工程・コスト・品質・安全・アフター管理。施工がスムーズに進むように、現場で人や業務を取りまとめるポジションです」

担当する案件は、仕事の状況や工事の規模によって振り分けられ、大規模案件であれば1件に専念し、小規模であれば複数を並行して進めることがあるという。

また、工期は長いもので1年ほど、短いもので1~2ヶ月とのこと。

「この仕事は段取りが重要なんです。元請けと打ち合わせをしたり、資材の発注をしたり、大工さんが暇にならないよう、早め早めに準備することを大切にしています」

特殊な案件では、現場の混乱を防ぐために、より先回りした行動や指示出しを心掛けているんだとか。

そんな田中さんは仕事のどんなところにやりがいを感じているのだろう。

「工事中はお金のことや工期のことなど考えることがいっぱいありますが、その分、完成したときには大きな達成感を味わえます。お客様の笑顔も見れますし、ありがとうという感謝の言葉も嬉しいですね」

「あと、木って全部同じものだと思っていたんですが、それぞれ性質も違うし、目も異なるし、1本1本に表情があるんですよ。仕事を通じて、色々な木に触れたり知ったりできることも、この仕事の面白さだと思います」

田中さんの今後の目標は、労力をうまく使って効率良く動くこと。そして時間が空いたら、もっと後輩の育成に力を入れていきたいそうです。

「業界知識は仕事をしているうちに自然と身についていくので、安心してください。分からない部分は周りがしっかりサポートしますし、大工さんも優しい人ばかりなので気軽に入ってきてもらえると嬉しいです」

続いてお話を伺ったのは、昔からものづくりが好きだったという佐藤さん。

鉄骨職人からサービスの仕事に転職しましたが、もう一度建築に携わりたいと思い、第三木材へ入社したそう。

「工務の仕事では、設計図から必要な材料を拾い出したり、資材の寸法を計算したりといったデスクワークもあります。こんな感じでお願いしますっていうざっくりした図面が届くので、そこから設計士さんの考えをどうやって形にしていくかが、私たちの腕の見せ所ですね」

依頼される案件には一つひとつ違いがあり、似ているものでも全く同じということはないんだとか。

そのため毎回発見と勉強の繰り返しで、案件をこなしていくたびに自分の成長を感じられることも、この仕事の魅力の一つだという。

「仕事ではどの案件も手を抜かず、真剣に取り組むことを大切にしています。お客様にいいものを提供したいですし、自分も”いいものが出来た”と納得できる仕事をしたいんです」

工事部では入社後、先輩のサポート業務から始め、専門用語や現場での動き方などを覚えていくとのこと。

佐藤さんは業界経験があったため、入社から1年ほどで独り立ちし、すぐに大規模案件を担当したそうです。

「最初に担当した案件は今でも覚えています。軽井沢の建物で、施工が複雑な現場でした。もちろん先輩のサポートもありましたが、現場監督がいい人で、みんなが協力してくれたんです。大変なこともあるけど、こういう嬉しいこともあるから、頑張って続けようって思いました」

10年目のベテランとなった佐藤さんの今後の目標は、自分が現場に行かなくても大工さんがスムーズに動けるよう、先を読んで行動することだという。

最後にこれから入社される方へのメッセージをいただきました。

「木は切った後も呼吸をしていて、湿気を吸い込むと寸法が伸びて、湿気を吐き出すと縮むといった変化があります。そんな自然なものを扱いながら、建物づくりの最初から最後まで携われる面白い仕事です」

「石の上にも三年じゃないですが、続けるうちに自信が付いてきて、仕事が楽しくなってくるので、まずは一度見学にきてみてください」

次に、営業部の林さんと金井さんにお話を伺いました。

入社4年目の林さんは、就職活動をしていた際に、進路指導の先生から第三木材を紹介されたそう。

「地元で知名度があって、安定感もある会社だよと紹介してもらいました。会社見学に行ってみたら、みなさん明るくて優しいし、社内の雰囲気が良いなぁと思って。その後の面接もフランクでとても話しやすかったです」

第三木材のアットホームで風通しの良い雰囲気は、会社HPやSNSを見ても感じられる。

中にはそういった情報を見て、応募の問い合わせをしてくる方もいるんだとか。

「入社後は現場や商材を覚えるために配送部で2ヶ月間研修を行い、会社で作っている製品を学ぶために製造部で2ヶ月間研修を行いました。営業部に配属になってからも座学研修とOJTがあったので、上司の商談に同行しながら提案の流れやコツを掴むことができました」

こうした手厚い教育体制のおかげで、林さんは入社後1年ほどで独り立ちできたという。

営業部の仕事は、木材・キッチン・ユニットバス・サッシといった住宅関連資材の提案や納品をはじめ、木工事の受注、見積り作成、大工さんへの依頼と打ち合わせ、工事の進捗確認など多岐にわたる。

また、お客様はゼネコンや工務店が9割で、一人あたりの担当社数は20社ほど、一日に訪問する件数は1~2社とのこと。

上田・東御・小諸・佐久・軽井沢の東信エリアを中心に、状況を見ながら自分でスケジュールを立てて回るそうです。

「仕事で大変だったことは、大工さんが使う専門用語が分からなかったこと。尺・寸・分とかの単位や道具の名前など、聞いたことがない言葉ばかりで(笑)。でも覚えないと会話ができないなって思って、先輩に聞いたり、大工さんに直接教えてもらったりしたんです。今ではいろんな話ができるようになりました」

そんな林さんのモットーは『仕事は明るく楽しく、現場の雰囲気を大切に』。

現場に行ったら、自分が来たことが分かるように大きな声で挨拶をして、大工さんたちと積極的にコミュニケーションを取るという。

いろんなことを教えてくれる大工さんとの会話は、仕事の楽しみでもあるんだとか。

「この仕事の面白さは、自分の成長が分かりやすいこと。大工さんと仲良く会話ができるようになったり、持ち上がらなかった材料を普通に運べるようになったり。あとは自分の携わった建物が完成するたびに思い出が増えていくので、仕事中に見かけると”次もやるぞ”ってモチベーションになりますね」

続いてお話を伺ったのは、入社2年目の金井さん。

以前は畜産関係の仕事をしていて、次も一次産業の仕事に携わりたいと思っていたそう。

「林業にチャレンジしてみようかと考えていたんですが、ちょっとハードルを感じて。でも木や自然に触れる仕事がしたかったので、木材を扱う当社の仕事はぴったりでした」

中途入社だったこともあり、配送部や製造部での研修期間は林さんよりも短め。

営業部に配属後は、お客様の電話を受けるところからはじめ、徐々に仕事に慣れていったという。

「思い出に残っているのは最初の現場。大工さんたちの声の大きさや話し方にびっくりしたのを今でも覚えています(笑)。正直、私にやっていけるのかなって不安になりました」

「でも休憩に入ると、大工さんの方からいろいろと話しかけてくれて、みなさんとっても優しいんです。それに大工さんとは違う現場でもまた会うので、自分の名前を覚えてもらうことや距離を縮めることも大切だなと思いました」

女性が少ない業界だけに、現場では重いものを持ってくれるなど、優しさを感じるシーンが多々あるんだとか。

「早く一人前になって恩返しができるように、分からないことはどんどん聞くように心掛けています。新人の今しか聞けないこともたくさんありますからね」

質問や相談がしやすい雰囲気に加え、面倒見のいい先輩がしっかりサポートしてくれるので安心して仕事に取り組めているという金井さん。

ちなみに社員にはそれぞれニックネームがあり、営業部長は”太鼓のパパ”、営業課長は”じゅんちゃん”、そして代表は”なおちゃん”とのこと。

「社長との関係性もそうですが、当社は社員同士の距離感がいいと思います。あとは部署ごとの会議だけでなく全体会議も3ヶ月に1回あって、みんながどんな動きをしているのかが分かるので、他部署とも連携が取りやすいです」

第三木材では、BBQやたこ焼きパーティー、懇親会といった社員交流の機会が多く、ほとんどの社員が出席しているという。

また、飲み会代・タクシー代・宿泊代は全額会社負担。

金井さんは、そういう太っ腹なところも大好きなんですと笑顔で話してくれました。

「営業の仕事は、人と話すことが好きな人、記録をきちんと取れるマメな人であれば、きっと活躍できると思います。男性も女性も働きやすい環境ですし、未経験者もたくさんいるので、安心して飛び込んできてくださいね」

2023年11月1日、第三木材の社屋2階に社員が集えるキッチンダイニング「第三食堂」がオープン。

“社員に健康的な食事をとってほしい”という代表の想いと、その想いに賛同した料理好きの社員さんによって立ち上げたプロジェクトだそうです。

「これまで2階は会議スペースとして使っていましたが、このプロジェクトをきっかけに改装し、社員食堂のほか、休憩スペースやワークスペースとしても活用しているんです」

そう話すのは総務マネージャーの宮下さん。

「社内制度はみんなで協議をしてつくったり、改善提案があれば紙に書いて提出したり。トップダウン型ではなく、社員が主役になれるボトムアップ型の体制を整えています」

そんな社員の声を積極的に取り入れる社風だからこそ、新規事業をやりたい方や将来起業したい方もウェルカムとのこと。

最後に代表の島田さんから今後のビジョンとメッセージをいただきました。

「これからを担っていく若い世代の人たちが活躍できる場をもっとつくりたいと考えています。職人さんを育成する学校とか、新たな仕事につながる新規事業とか。そして目標は当社から10人の社長を誕生させること。新しい会社ができれば地域活性化にもなりますし、会社経営は人生のいい勉強にもなります。もちろん社内起業でもOKなので、何かやってみたい方はぜひ一度当社に来ていただきたいです」

第三木材は、地域材で建物をつくる「地材地建」に加え、歴史と技術、そして地域で育まれた事業を継承する「地承」にも取り組んでいる。

あなたも木とともに、未来のためにできることを探してみてはいかがでしょうか。


株式会社第三木材

募集職種
(1)工務(未経験者)
(2)工務(経験者)
(3)営業

雇用形態
正社員

給与
(1)月給25万円~
(2)月給40万円~(40時間分の残業手当(89,600円~)含む)
(3)月給23万円~
※年齢・スキル等を考慮の上、決定します。

昇給
年1回(4月)

賞与
年2回(6月・12月)
※前年実績1.5ヶ月

待遇・福利厚生
社会保険完備
通勤交通費(上限月2万円)
時間外手当((1),(3)全額支給)((2)40時間超過分は全額支給)
役職手当
職能手当
資格手当(設計士、建築士、施工管理技士など/月5000円~3万円)
資格取得支援制度(資格取得に必要な費用を全額又は、一部会社負担)
退職金制度(勤続2年以上)
制服貸与
社員旅行

勤務地
本社/長野県東御市加沢201-5
※マイカー通勤OK(駐車場完備)

勤務時間
8:00~17:00(休憩60分)
※残業月20時間以内

休日休暇
年間休日105日
週休2日制(土・日)
※月1~2回土曜出勤あり
祝日
GW休暇(4~5日)
夏季休暇(4~5日)
年末年始休暇(8~9日)
有給休暇(10日~)
産前産後休暇
育児休暇
介護休暇
慶弔休暇

仕事内容
(1)(2)工務
中大規模の木工事における管理業務
工程管理、コスト管理、品質管理、安全管理、アフター管理など
※担当する案件は一人あたり1~6件(規模による)
※東信エリアが中心
(3)営業
建材や住宅関連資材の提案・納品、民間・公共の建築工事の受注、
見積り作成、取引先との打ち合わせ、工事進捗の確認など
※担当社数は一人あたり20社程度
※東北信エリア中心
研修制度充実!未経験の方もご安心ください!

応募条件
学歴不問
普通自動車免許

求める人物像
人と話すことが好きな方
チームワークを大切にできる方
思いやりをもって仕事に取り組める方
夢や目標・やりたいことがある方
将来起業を考えている方

募集期間
2024年6月27日~
※募集人数に達した時点で終了とさせていただきます

採用予定人数
工務2名
営業2名

採用プロセス
ご応募・お問い合わせ

書類選考

面接(1~2回)

内定 
※試用期間3ヶ月

https://recruit.dai3wood.co.jp

Instagram
↑当社のInstagramもぜひご覧ください!

<お電話でご応募・お問い合わせの場合>
0268-62-1202
総務部:宮下
※お電話口で「ながの仕事物語を見て」とお伝えください。

<履歴書・職務経歴書を直接郵送いただく場合>
〒389-0514
長野県東御市加沢201-5
株式会社第三木材
総務部:宮下
※特記事項に「ながの仕事物語を見て」とご記載ください。

よかったらシェアしてね!
目次